2010.01
【著者:高野 雅晴】
マイクロSDカードによる映像コンテンツ流通はユーザに受け入れられるか(1/2)
DVDソフト市場は成熟期を迎えている。次世代メディアとして登場したBlu-rayソフトも、まだ市場拡大途上にあり、DVDを代替する市場規模にはなっていない。ただ、テレビ受像機の地上デジタル放送対応が進み、大画面高画質が当り前になることで、DVDからBlu-rayへの流れは徐々に浸透していくことになるだろう。
こうしたなかで2009年半ばに新たなパッケージメディアとして登場してきたのが、ワンセグ対応携帯電話の記録メディアとして使われるマイクロSDカードによる映像コンテンツである。カテゴリは音楽ビデオや映画など多岐に渡る。提供形態としてはDVDソフトとのバンドル、マイクロSD単独販売などのパターンがある。
ワンセグ録画フォーマットを巧みに流用
マイクロSDによる映像コンテンツは、再生プレーヤとしてワンセグ対応携帯電話を使う。マイクロSDタイトルのオーサリングツールなどを手がけるセントリックスによれば、マイクロSDを使ったコンテンツ流通は、3Gネットワークではダウンロードできない大容量コンテンツをパッケージとして流通販売し、携帯電話のユーザにリッチエンターティメントを提供することがねらいという。また、3G携帯ユーザは9000万人近く存在するのに対して、ニンテンドーDSユーザは2000万人程度、iPod ユーザは700万人程度といったことからも、ワンセグ搭載比率が今後も高くなることが想定される携帯電話が最も可能性のある端末と見ている。
ワンセグ対応携帯には録画機能があり、その録画番組を記録するメディアがマイクロSDカードである。ワンセグSDタイトルの最大の特徴は、このワンセグ録画フォーマットを流用する点にある。これにより、タイトルを購入したユーザは録画したワンセグ番組を視聴する感覚でタイトルを楽しむことができる。コンテンツ提供者側から見るとワンセグの著作権保護の仕組みであるCPRM(Content Protection for Recordable Media)をそのまま使うことができるのもメリットになる。つまり、ユーザにとっても提供者にとってもワンセグ携帯のインフラを活用できることがアドバンテージというわけだ。
こうした背景を踏まえ、再生プレーヤとしての携帯電話の普及台数にも後押しされ、2009年半ばに音楽ソフトからスタートしたマイクロSDソフトは、2009年末にかけて、映画やアニメなどさまざまなバリエーションが登場するようになった。
高画質・モバイル対応へと広がるパッケージメディア
映画会社ではウォルト・ディズニーなどが積極的に販売を開始している。たとえば最近発表されたタイトルとしてはディズニーが70周年を記念して2010年3月にダンボがある。同タイトルはざまざまなパッケージメディアでリリースされる。そのラインナップは、Blu-ray+DVD版(4,935円)、DVD版(2,940円)、DVD+マイクロSD版(4,935円)、マイクロSD単独版(2,940円)といった具合である。
このほかにもワーナーの「ハリーポッターと謎のプリンス」といった有名タイトルもマイクロSDソフトとして登場している。サードウェーブホールディングスが2009年12月2日に4,980円で発売した。
2009年12月には卸業者の本格参入も始まった。ハピネットは2009年12月23日にマイクロSDタイトルの取り扱いを始めた。まずは主な携帯電話の販売会社と提携し、新たなチャネルとして携帯ショップで販売を開始する。






