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コラム

2010.01

Vol.133(2/3)

【著者:おすぎ】

「午前十時の映画祭」、「ずっとあなたを愛してる」、
「ゴールデンスランバー」、「フォース・カインド」

スクリーンが涙で見えなくなってしまう「ずっとあなたを愛してる」

東京では12月26日から公開されている名画があります(大阪、神戸は1月、名古屋は2月、福岡は未定)。監督は現代のフランスを代表する作家で、映画監督は初めてというフィリップ・クローデルです。

ジュリエットが人気のない空港でタバコを吸っている。彼女は15年の刑期を終え、出所してきたばかりなのです。そこへ迎えに来たのが年の離れた妹のレア。大学で講師をしている妹の家に身を寄せることになったジュリエットは、レアの一家と彼等の友人たちに囲まれて少しずつ、自分というものの居場所を見つけ出しはじめるが…。自分の息子を殺した女性の、悲劇の裏にある母親の心理と、肉親の愛情のあり方を描いて鮮烈であります。映画の終り30分前まで、ほとんど感情を表現しなかったジュリエット役のクリスティン・スコット・トーマスの感情の激変に、スクリーンは涙で見えなくなっていました。

タイトルの「ずっとあなたを愛してる」というのは、己が手を掛けた息子に対しての言葉でもあり、自分の心をここまでオープンにしてくれた妹たちに対してともとれる言葉です。とにかくK.S.トーマスの演技に拍手を…。ラストのクレジット・タイトルでバルバラの〝いつ帰ってくるの〟が流れると、また涙でした。

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