2019.1
Vol.241(1/3)
【著者:おすぎ】
「ヴィクトリア女王 最期の秘密」
「天才作家の妻 40年目の真実」
「ゴールデンスランバー」
「クリード 炎の宿敵」
一年がアッという間に過ぎて、74歳になりました。何時も不思議に思うのだけど、テレビなどを見ていると、ニュースなんかで74歳と字幕スーパーが出ている男性が映ると、たいていは“老人”らしい人が多いのです。私は、それを見て本来、私もこういう容姿なのだろうなぁと思うのですが、鏡にうつる私の顔って皺も少ないし、というかほとんど無いし、若いとは言わないけれど、老人にはほど遠く思えるのであります。勿論、これは自慢であります。が、人生で苦労が足りていなかったのかもしれない、とも思ったりしています。それはともかく、本年もよろしく…。
2019年公開映画の白眉「ヴィクトリア女王 最期の秘密」
さて、映画であります。一押しは、なんといってもこれでしょう。「ヴィクトリア女王 最期の秘密」です。この映画の原作はシュラバニ・バスの“ヴィクトリアとアブドゥル:女王腹心の友 その真実の物語”であります。
バスがカレー(料理)の歴史に関する本の調査中に、ヴィクトリア女王がカレーを好んでいたことを知ります。そこでバスは英国ワイト島にある離宮オズボーン・ハウスを訪れ、そこにあったインド人男性のブロンズ像と、女王のドレッシングルームに飾られた同一人物の肖像画に興味を持ち、調べはじめ、女王がインドのウルドゥー語で書いた日記とアブドゥルの日記を研究して、ふたりの関係を解明したのだった。で、2010年に女王とインドのアブドゥル・カリムの“一種の愛”を世に広めたのであります。
で、映画であります。ヴィクトリア女王には、御年84歳のジュディ・デンチが当たり、アブドゥルにはインド出身のアリ・ファザルが扮しています。
とにかく、とても良く出来た作品で、女王が、一目でインド人の男性に興味を持ち、自分の側近として優遇していく様が、少しもイヤらしくなく、本当に心から彼のことを認め、それによってインドの歴史や言葉を彼から教わって、インド女帝として確固たる地位を築いたのであります。とにかく、ジュディ・デンチを見る、このことに尽きます。2019年公開映画の白眉であります。必見の一本です。