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コラム

2019.2

【著者:村松 行人】

パッケージのサバイバル戦略
②進むデジタル化と踏ん張るディスク(3/4)

SVODサービス多様化と心配なディスク市場

Netflixの料金値上げは同社の強力なライバルとなることが間違いのないDisney+が格安料金で参入して来るそのタイミングでの発表ですが、①米国内の視聴者数の増加が頭打ちとなって来たこと、②過去の値上の経験から10.99ドルの標準料金プランの2ドルアップは解約者の大量発生には繋がらないとの見切り、③今後の競争に最も大切なのがDisney+に対抗するコンテンツ強化への投資であるという認識、等々が値上げの理由ではないかと思います。

Disney+の視聴料金プランは未発表ですが、昨年4月に先行スタートした同社のスポーツ動画配信ESPN+が月額5ドルで好調の様ですからDisney+もその前後ではないかと取沙汰されています。

もともとSVODサービスは低料金・見放題で定着したエンターテイメントですから、Netflixの読み通りこの先もどれだけ充実したコンテンツを揃えられるかが料金よりも勝負になるのではないかと思います。

ということで、いよいよこの秋からは米国のSVOD市場は新作映画か新作ドラマか、コンテンツの優劣(面白さ)を巡り視聴者の争奪戦が始まりそうです。

ただ、SVODサービスの視聴契約料は5~10ドル程度とCATV等に比べ格安ですから消費者は二者択一の選択ではなく複数のサービスと契約するケースが増えることも考えられます。

Disney+とWarner Mediaだけでなく、今年中にAppleが日本を含む100カ国でiPhoneやiPad等自社端末の所有者に向けた動画の無料配信サービスを開始すると発表しています。また来年にはNBCユニバーサルも同様な動画のストリーミング・サービスを始めると発表しているようです。

そして最大の心配はパッケージ市場の先行きです。これまで消費者の多くが新作映画はパッケージ(DVD・BD)を購入して(あるいはレンタルで)視聴していましたが、これから米国ではスタジオ系の見放題のSVODのストリーミングで観る人が増えると思います。

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