2018.6
第79回(1/3)
【著者:行 達也】
吉川さやかさん
ミュージックソムリエ協会理事長・CDショップ大賞事務局長
1965年生まれ。NPO法人ミュージックソムリエ協会 理事長、CDショップ大賞事務局長。東芝EMIで営業、販促、宣伝、A&R、アーティストマネージメントを担当し、2006年に退社。翌年、音楽プロデューサー&作詞家の故・鈴木健士とNPO法人ミュージックソムリエ協会を設立、2008年、CDショップ大賞を実施するべく全日本CDショップ店員組合を発足。2009年5月第1回CDショップ大賞授賞式を実施。毎年回を重ね2018年3月に第10回授賞式を実施した。また2011年〜2017年までRECORD STORE DAY事務局を運営しアナログレコードの普及にも務めた。
http://www.cdshop-kumiai.jp/taisho/
今年で10回を迎えるCDショップ大賞の事務局の吉川さんのインタビュー後編です。
―でも、例えば台風クラブとかPUNPEEって、彼らにしてみたら『そんな賞もらってもなあ…』って感じじゃなかったですか?少なくともボクがいた頃は正直、賞をもらったアーティストがCDショップ大賞自体を知らなくて『おめでとうございます!』って言ったところで微妙な空気が流れてたんだよなぁ(笑)
「それが!(声デカい)確かに当初は『おめでとうございます!準大賞です!』って伝えたら『え?大賞とかじゃなくてですか?』ってレコード会社の人からちょっと機嫌悪く言われたりした事もあって。」
―あ、その話、聞いたことある(笑)
「今では受賞に関わる皆さんがどの賞もすごく喜んでくださって。」
―やっぱりそれだけ名前が浸透してきてステイタスが上がったってことですかね?
「自分たちの中では当然、当事者なので『みなさんご存じですよね?』っていうぐらい知れ渡っていると思ってるんですけど、そう簡単なものじゃなくて、時間をかけてゆっくり浸透させていかないといけないなっていうのを感じました。だから10回目なので10年やってて、それなりのキャリアがあるワケですが、中には5年目から知った人もいれば、今回の10回目で初めて知る人も出てくるワケなので驕らず謙虚な気持ちで臨みたいですね。」
―でも、この10年でCD屋自体がすごく減ったんじゃないですか?ボクがいた頃ですら、定例会に『あれ?○○さん、来てないですね?』って聞いたら吉川さんが『実は○○さんのお店が…』ってゾンビ映画の『彼も犠牲に…』みたいな感じにどんどんなっていきましたもんね(苦笑)今でもそんな感じですか?
「そうでしたね(泣)。いや、やっぱりそういうのは今でもありますよ。去年もいっぱいありました。ヤジマレコードさんも無くなりましたもんね。新星堂さんは吸収合併等もあってその再編で人事も大きく変わったりして、それまで参加してたメンバーが来れなくなることは絶え間なく続いてます。残念ながら。」