2018.10
第80回(1/2)
【著者:行 達也】
籔井健一さん
グリッジ株式会社
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷一丁目17番1号TOC第2ビル3F
TEL: 080-7948-5905
2003年ギター片手に博多ロックの志を胸に上京し、バンド活動に打ち込む。2009年:バンド活動と並行していたバー経営の経験から、自分の可能性を他に見出して心機一転ホワイトカラーへ転身。2010年:株式会社ネクスゲート 入社して約9年間、BtoBのビジネスマッチング業界での営業・事業部長・人事部長を歴任して取締役に就任。2018年:2月15日グリッジ株式会社を設立し、Gridge|世界の熱狂が『集まる・つながる』クリエイティブ配信プラットフォームを構築中
いつもですとエンジニアだとかプロモーターだとか、音楽業界で割とわかりやすい職種の人たちにインタビューしてるこのコーナーなんですけど、今回はちょっと一筋縄でいかないジャンルの方で、Gridgeという会社を経営する籔井さんです。この会社は「クリエイター・アーティスト・パフォーマーが収入を得るための配信サービス」として、この秋からスタートするそうなのですが、要するにクリエイターたちが活動をリアルだけでなくWEB上で展開することで新しいファンを獲得して、マネタイズしていく仕組み作りをされています。現在、いろんなベンチャーがこのような取り組みをしている中で、そのほとんどがファン目線に終始しているのに対して、この籔井さんは一貫して、クリエイター目線というのを重視されているんです。そこが非常に新鮮で、いったいどういう人がやっているのか興味深々でお話を聞いてきました。
―今回は事業内容というより、籔井さんという人についてお話を聞ければと思います。最初にされたお仕事は何でしょうか?
「ロックバンドをしながら飲食店経営です。飲食も最初はもちろんバイトから始めたのですが、バンドだけで当然食っていけないので、やってみないか?という話があって店を作りました。オーナーがバンド活動に対しても寛容でとても好条件でした。コンセプト作りから細かいところまで自分の考えでやらせてもらえたのは良かったです。」
―飲食といってもいろいろ種類ありますけど…
「いわゆるオーセンティックバーです。カウンター7席で4名テーブルが3つぐらいの全部で20席ぐらいの店で、平日は一人で回して、週末はバイト雇って、っていう感じでした。昼間は氷屋に氷を仕入れに行ってましたね。ガチのデカいやつ。ちゃんとした氷にこだわってやってました。普通だとキッチンに製氷機を置いてそこで氷作りますよね?ボクはあれが許せないんです。味がもう全然違うじゃないですか。1貫とか2貫とかチャリンコで買いに行くんですよ。」
―へえーすごいこだわりですね。
「それから4~5年その仕事を続けるのですが30歳になる手前で、まあよくある話ですがバンドで食っていくことも諦めて、このまま水商売を続けるというのもどうなんだろう?という気持ちになって、それまで考えたこともなかったホワイトカラーに転職するんです。最初、不動産業に就いたんですが、毎日、朝起きて仕事っていうのが耐えられなかったです。そんな生活やったことないので(笑)。それを1年やって「あ、IT企業とかに入れば営業マンっていう人件費いらなくなるな」って思って、そこからフリーペーパーの仕事を始めるんです。ホットペッパーの高級版みたいな。そこで飲食店営業して広告枠を取る、みたいな。そこである程度の結果は出したんですけど、そこもやってるうちに「このままだと紙媒体はなくなるな」っていう実感も沸いてきました。どんどんWEBになっていって。そこからネットのマッチングサービスの会社に転職しました。9年間そこで働きましたね。営業から営業部長、人事、取締役までなりました。その時に広告代理店営業とかもやってたので、広告業界・マーケティング業界を学びつつ、30歳にしてパワーポイントデビューというかなりの遅咲きでしたので、てんてこまいでした(笑)。」
―そういうのは飛び込みで行くんですか?
「そうですね、直接電話して『○○っていう面白い商材があってですね!』みたいな感じでガンガン食い込んでいきました。」