2019.4
Vol.244(2/3)
【著者:おすぎ】
「ハンターキラー 潜航せよ」
「マローボーン家の掟」
「ある少年の告白」
サスペンス・スリラー好きには見逃せない作品「マローボーン家の掟」
スペインのJ・A・バヨナが製作総指揮を務め、彼の「永遠のこどもたち」、「インポッシブル」の脚本を担当したセルヒオ・G・サンチェスの監督デビュー作が「マローボーン家の掟」であります。
海にほど近い森の中にひっそりとたたずむ大きな屋敷。そこに暮らすマローボーン家の4兄弟は、世間の目を逃れるように生きていた。心優しい母が病死し、凶悪殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、4人の希望に満ちた日々はもろくも崩れだす。母の死後に生まれた“5つの掟”を守り暮らす彼らに降りかかる、屋根裏部屋から響いてくる不気味な物音、鏡の中にうごめく得体の知れない影。
いったいこの屋敷には、いかなる秘密が隠されているのか。やがて平穏を保つための“掟”が次々と破られ、逃げ場なき極限状態に追い詰められた長男ジャック(ジョージ・マッケイ)が、最愛の妹ジェーン(ミア・ゴス)、次男ビリー(チャーリー・ヒートン)、まだ幼い末っ子サム(マシュー・スタッグ)を守るために下した決断とは…。ジャックの心のよりどころとなる美しく聡明な少女アリー(アニャ・テイラー=ジョイ)も登場して、若者たちは悪夢のような事態に見舞われていく…。
まず“5つの掟”とは…。
①成人になるまでは屋敷を離れてはならない
②鏡を覗いてはならない
③屋根裏部屋に近づいてはならない
④血で汚された箱に触れてはならない
⑤“何か”に見つかったら砦に避難しなくてはならない。
勿論、この掟は破られていきます。彼らが住む屋敷には父親の死体が放置され、なぜか家じゅうの鏡にはシーツがかけられている。これだけで、これって何故って、私の中の好奇心に刺激を与え、“5つの掟”に彼等が背いた瞬間、さらなる極限の恐怖が出現するのであります。
とにかく、年の若い兄弟妹とガールフレンドの心の動きが上手に描けていてラストまで息を止めてスクリーンを見ていました。サスペンス・スリラー好きには見逃せない作品であります。