2018.12
第81回(1/2)
【著者:行 達也】
籔井健一さん
グリッジ株式会社
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷一丁目17番1号TOC第2ビル3F
TEL: 080-7948-5905
2003年ギター片手に博多ロックの志を胸に上京し、バンド活動に打ち込む。2009年:バンド活動と並行していたバー経営の経験から、自分の可能性を他に見出して心機一転ホワイトカラーへ転身。2010年:株式会社ネクスゲート 入社して約9年間、BtoBのビジネスマッチング業界での営業・事業部長・人事部長を歴任して取締役に就任。2018年:2月15日グリッジ株式会社を設立し、Gridge|世界の熱狂が『集まる・つながる』クリエイティブ配信プラットフォームを構築中
“クリエイター・アーティスト・パフォーマーが収入を得るための配信サービス”Gridge(グリッジ)の代表を務める藪井さんにお話を聞く、の続編です。とか言うてる間にこちらのサイトもついに本格的にサービスがスタートしました。まだ始まったばかりなのですが、早くも個性あふれるクリエイターが登録されていて僕も興味深々です。周りにクリエイターがいる方はぜひオススメしてあげてください。アーティスト同士の素敵な出会いがきっとあると思います!では、続きを。
福岡で高校時代の親友たちとバンドを始めて、活動も軌道に乗り出して「さあ、次はいよいよプロを目指して」という段階になったところで、思いもよらなかった突然のメンバーの死。その現実を受け入れられない失意のまま藪井さんは上京します。
―バンドを続けようとして、東京に出てきたんですよね。事務所とかに所属したんですか?
「しなかったです。話としてはあったんですが、敢えて自分たちだけでやろうと決めてやりました。」
―ある意味、バンドというのが博打的要素が高いですから、せめて仕事では会社員になろうとは思わなかったんですか?個人で起業するというのはつまりはベーシックインカムが保証されてないワケですよね。しかも郷里から遠く離れた地で。
「なかったですね。食っていける自信があったので、サラリーマンになろうと思ったことはなかったですね。ヘンなプライドさえなければ、どんな環境であれ、食っていけると思ってます。例えば、今、自分がやっている会社が潰れたとしても、そのあと食っていける自信はあります。」
―すごいですね(笑)
「挑戦しないとその先はないと思っているので。」
―でも、それだけ自信を持って言えるというのは、その先が見えるということですか?
「見えないので、動く自信だけはあるんです。例えば、全然知らない業界で飛び込み営業するとして、アポイントを取る自信はあるし、あとは何とかなるというか。バンドにせよ、店にせよ、ゼロから始めたけど、ある程度ちゃんとカタチにしてきたっていう自負があるからこそだと思っています。どの業界だって先行き不安なのはあると思います。競合も出てくるし。そういった状況の中でどうアンテナを張って、どう動くかをわかっていれば怖いことはないです。ボクが前職でやっていたフリーペーパーって全国のタワーレコードに置かせてもらってるんですよ。ご存じでした?」
―え!そうだったんですか?知らなかった…
「それもタワーの広報さんに飛び込みでお願いしに行って、成約取ったんです。もちろん記事の中でタワーのトピックスを掲載するという条件で、なんですけどね。」
―なるほどなぁ、フットワーク軽いですねえ
「ただ、ボクの目的はフリーペーパーを置いてもらうことではなくて、それをきっかけに、ここからタワーの人と一緒に何か面白い仕事をしたいというのがあって、例えばそういうことなんです。」
―ああ、でも先ほど、先は見えないと仰ってたけど、ある意味、見通しが立ってるというか、会社でココを攻めたら、どこそこの部門を突破しやすい、だとか無意識に段取りを組み立てられるんですよね、きっと。勘の良さというか。
「自分の社会人デビューが30歳と大幅に遅かったので、年下なのに先輩、みたいなケースがいっぱいあって悔しい思いをしたっていうのがバネになって、早く巻き返したいという意識がそうさせたのかもしれません。」