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2018.9

【著者:行 達也】

CDというメディアについて(2/2)

あと、サブスクの無限に聴けるあの感じは、特に音質にこだわらない「ただひたすらたくさん聴きたい音楽好き中年」にとっては悔しいけど楽園のような場所なんですね。保存しなくていいから容量気にしなくてどんどんお気に入りに入れてしまう。だって例えばニーナ・シモンとかもうそれこそ星の数とまでは言わないにせよ、アホみたいにたくさんアルバムがあるんだけど、それを1枚1枚わざわざ買わなくても全部聴けるんですよ。そして、CD化もされてなかったあのレアなレコードがサブスクで聴けてしまう!(コレ実は結構多いんです!!)ってなってくるともうアレも聴きたいコレも聴きたいと中毒性が高いので、次の日、朝から打ち合わせなのに夜中ずっと掘り続けて、まるで役立たずな人を量産している状況が生まれています(っていうかオマエだろうがと。正解です)。アマゾンプライム会員だけど、そんなにしょっちゅう映画観てないわ、もったいないっていう人が周りに結構多いんですが、それでいくとボクのApple Musicはかなり元が取れてると思います。っていうかもうちょっとお支払してもいいぐらい満喫しています。

えーっと何の話だっけ?そうだ、CDを買う主軸になっていくだろうと思っていた大人が案外サブスク等の配信に移行しているということです。それがちょっと考えたら、まあわかりそうな話なんだけど、数年前まで本気で「もはや大人しかCDなんて買わなくなるであろう」と思っていたんだから、いかに考えが浅いか…いやちょっと待ってください。自分だけ否定するのは良くない。世間的なムードとしてそうだったはず。うん、きっとそう。

でも、やっぱり聴く手段がどんどん変わっていく過渡期で(というかあらゆる時代で常に過渡期ですが)定着しないとモノの本質というのは見えてこないのだなというのがハッキリわかりました。つまり何かを予想したところで、実際にその時代にならないと流行るかどうかなんて絶対にわからないし、「○○の時代が来る!!」って簡単に言うもんじゃないなと反省しております(結局そこ)。

【行 達也】
1968年大阪生まれ。長年勤続したタワーレコードを退職後
2004年東京下北沢にmona records(モナレコード)を開店。
CDショップにカフェ、ライブスペースを併設した小さな音楽総合施設を目指す。
http://www.mona-records.com
現在、某CDショップのレーベル部門にて勤務。

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