2018.8
【著者:村松 行人】
コンテンツ大競争時代が来た
⑥根強い存在感を発揮するパッケージ(3/5)
新しいお客様をお迎えする戦略
上記のような目で昨今のレンタル店を見ると、以前に比べ地域における存在感が少し薄れているような気がします。周辺に競合店がひしめき、料金競争やサービス合戦に明け暮れていたかつてのレンタル華やかなりし頃には、お客様の出入りも多く店が輝いていました。これからのレンタル店は、地域における新たな存在感の構築から始めるべきかもしれません。イメージ的にはレンタル店というより「地域の映像ライブラリー」といった方向での存在感でしょうか。
あるショップの方から「ゴールデンウイーク前に2年ぶりにチラシを撒いたら新入会の方が結構多くて驚きました、アニメのお客様も増えました」と言った報告がありました。残念ながら年とともに来店されるお客様が減り、店の存在を知る人も減る一方です。[20年も前からここでレンタル店をやっているのだからウチのことは誰でも知っているハズ]と思っているのは店の人だけかもしれません。いま、地域に自店の新作品揃えの現状や料金サービス、レンタル・システム等を詳しく知っている人がどれだけいるでしょうか。
しかし、もしこうしたレンタル店の現状を殆ど知らない映画好きやアニメ好きの人たちがたまたま店のチラシなどを見て来店したとすれば、洋画・邦画の新作ラインアップや豊富な旧作品揃え、さらに網羅されたキッズやファミリー・アニメの在庫等にきっと驚くと思います。
これからのレンタル店の課題は積極的に上記のようなお客様をしっかり囲い込み、新しい常連さんとして囲い込んで行くことです。
そのために必要なレンタル店のリニューアル・ポイントを整理してみましょう。
第1のポイントは、簡単な入会手続からレンタルまでのシステムと、リーズナブルなレンタル料金の二つが来店したお客様全員に分かりやすく表示されていること。
お客様にとっては初めて入った店で店員さんにモノを聞くのはかなりのストレス、ほとんどの場合そうした疑問をそのままに店を出てしまいます。「この店の料金とシステムがよく分からない」という理由から折角来店したお客様がどれだけ手ぶらで店を出て行ったでしょうか、その内のかなりのお客様がお隣の競合店の会員になったのかも知れません。
「分かりやすい料金表示」によりはじめてお客様は安心して「入会」「レンタル」という行動へ進むことができます。一度店頭に立ち、初めてのお客様になった気持ちで店内を見回してみて下さい。一目でわかるレンタル料金表が目に飛び込んで来ましたか?すぐにレンタル・システムや入会方法、料金体系が理解できましたか?