2018.8
【著者:村松 行人】
コンテンツ大競争時代が来た
⑥根強い存在感を発揮するパッケージ(4/5)
地域のアニメ・ニーズを大切に囲い込む
第2のポイントは戦略ジャンルとしてのアニメの重要性です。洋画や邦画と違いアニメは在庫作品の80%以上が来店するお客様が既に「知っている作品」であり、「観たことのある作品」だということです。老若男女殆どのお客様にとってかつて大好きだった、あるいは夢中になった作品です。
アニメ・コーナーには『ウルトラマン』(60年代~)や『仮面ライダー』(70年度~)、『ガンダム』(80年代~)等、そろそろ定年期を迎える中高年層が子供の頃夢中になっていた作品の膨大なラインアップとその新旧作品が在庫されています。またファミリー・アニメの古典ともいえるジブリ作品コーナーでは80年代の『風の谷のナウシカ』『隣のトトロ』『魔女の宅急便』等の古典的な作品からごく最近の『風立ちぬ』までの作品が網羅され、時代を超えて連綿と回転し続けています。さらに、今年春の「ファミリー・アニメフェスタ2018」でも人気作品ベストは『クレヨンしんちゃん』『それいけ!アンパンマン』『ちびまる子ちゃん』『ドラえもん』『きかんしゃトーマス』といった長期間子供たちに愛され続けて来たお馴染みのロングセラー作品だといいます。そうしたよく「知っている」アニメを発見したお客様は「これもう一度観たかった!」「これ探していたんだ!」等と思ったことでしょう。
これからのレンタル店は在庫品揃えの充実やサービス強化により地域のアニメ・ライブラリー的な存在としてアニメファンをしっかり囲い込んで行かねばなりません。
もう一つ、アニメには一般作と異なり繰り返し鑑賞されるという特質があります。幼児が繰り返しお気に入りの作品を観て楽しんでいることはよく知られていますが、これは幼児だけでなく全年齢のアニメ・ユーザーにほぼ共通した特徴といえるでしょう。繰り返し鑑賞するために作品を購入したり、シリーズ全巻をコレクションしたりする、といった購買行為も珍しくはありません。これからのレンタル店はアニメのセルにもより力を入れる必要があります。
アニメのファンはキッズから中・高校生、成人まで、男性ばかりでなくOLや主婦など女性層、あらゆる年齢層に及びますから当然、中にはインターネットやデジタル・メディアになじまないお客様も少なくないと思います。そうしたお客様をしっかり囲い込むのもこれからのレンタル店の地域への役割であることは言うまでもありません。