2018.7
【著者:村松 行人】
コンテンツ大競争時代が来た
⑤消費者争奪へのメディアウォーズ(3/5)
接客応対 業績を左右するもう一つの視点
前回は店の売上を作る上で準新作というカテゴリーの扱い方が極めて重要であることを書きましたが、現実は「仕入・品揃では競合店との差別化が難しい」のがパッケージ・サービス業の宿命でもありますから、他の何かで差別化し、多くのお客様に自店に来店して頂くことがどうしても必要です。優れた接客応対はレンタル店に残された最後の競合店差別化戦略かも知れません。
最近はどこのレンタル店を覗いても接客に関してはベテランの方から新入りのアルバイトさんまで一応無難に対応しているように見受けられます。どの店・チェーンでもマニュアルやテキストに基づいてそれなりに接客教育に力を入れているのでしょう。
接客応対は開店時から閉店まで問題がないのが当たり前、トラブルはあってはならないこと,といった守りのイメージがありますが、これからは接客で差別化してお客様のリピート率を高め売上を伸ばす、といった“攻めの接客”へと発想を転換するべきではないでしょうか。
売上増に直結する攻めの接客とは「お客様に喜ばれる接客」であり究極的にはお客様から「有難う!」と言われる接客だと考えています。レンタル店ばかりでなく私たちは普通コンビニや書店、外食店などで店員さんに「有難う」とはなかなか言いません。しかし例え口にまではしなくともお客様がそうした感謝の気持ちを抱いたとすれば店への信頼感、愛着そして「また来よう!」といったモチベーションは確実に高まります。
これからの接客研修は単なる定型的な挨拶や敬語を指導するだけでなく、店長さん以下アルバイトさんまでの全スタッフにそこまでの意識や積極性を自覚させることを求める必要があります。勿論、接客指導者自身の意識改革や研修テキストの見直しから始めなければなりません。