2018.7
【著者:村松 行人】
コンテンツ大競争時代が来た
⑤消費者争奪へのメディアウォーズ(5/5)
お客様一人ひとりと向き合うキメ細かな接客を
来店したお客様と対応するには「いらっしゃいませ」に始まる6大接客用語や笑顔、正しい敬語、丁寧な動作といった接客の基本が欠かせません。声を出して繰り返し練習することで全員が身に着ける以外にありませんが、レンタル店の接客はそこに留まらずヘビーユーザー層、女性客層、キッズ層、中高年層等々、客層別のキメ細かな対応が求められます。
この問題も店の全員が集まり客層別のお客様の特徴や習性を明らかにし、どんな提案をすれば喜んで頂けるか、沢山借りて頂けるかを考え、知識や情報を共有するべきですが、とりあえずそのヒントを列挙してみましょう。
①ヘビーユーザー層
レンタル店の最も大切なお客様。可能な限りのサービスを惜しまない、無料券、割引券、映画館招待券が喜ばれる。
②女性客層
親切・丁寧、VIP対応が大原則。笑顔。顔を覚えられていることが嬉しい。男性客に比べ情報力が少ないので新作情報、キャンペーン情報の提供が歓迎される。割引料金やお金に敏感。
③キッズ層
棚の作品を掴んだり自分で何でもやりたがる。キャンデーや販促物をプレゼントすることでキッズ1枚の追加レンタルが可能になることも。
④ファミリー層
ミセスを捕まえる・仲よくなる。子供の情操教育によい作品や、子供に喜ばれる作品を家族で楽しむ家庭が増えている。ディスカウントやプレゼントに弱い。
⑤団塊世代・中高年層
日中来店して色々店のスタッフと話したい、と願っているお客様が多い。聞き役に徹する。よく誤解からクレーマーになることも。旧作1枚レンタルのお客様も多い。
⑥ビギナー層
何としても店の常連さんとして定着させねばならない大切なお客様、次回の来店を確実にするサービス、言葉かけはどうすればよいかを考える。親切・丁寧・フレンドリーな応対。
⑦アダルトのお客様
丁寧素早いかつ無関心接客。事務的な貸出し返却業務が原則だけに店側の感謝の気持や誠意をどう伝えるか。
お客様にとってはベテランの店員さんも昨日入ったばかりのアルバイトさんも同じ店のスタッフです。接客ミスは決してあってはならないこととして接客研修を続けるべきですが、それだけでなく、店長さんは終始店のスタッフの接客応対への気配りを怠らないこと、少なくとも接客応対に関しては「話の話わかるいい店長さん」であることは許されません。
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- [2]Netflixのグローバル戦略と日本の配信市場
- [3]接客応対 業績を左右するもう一つの視点
- [4]リピーターを逃がす接客をしていないか
- [5]お客様一人ひとりと向き合うキメ細かな接客を
【村松 行人】
田辺経営(株)、教育出版(株)を経て現代教育企画設立。
1986年、ビデオショップ経営研究会を主催。
全国550余のビデオレンタル店の経営診断・主導をしている。
衛星放送・スカイパーフェクトTV Eチャンネル番組審議委員長。
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