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2019.5

【著者:村松 行人】

パッケージのサバイバル戦略
⑤リアル店ならではのサービス強化(4/4)

生残りを賭して、店作り刷新へのヒント

日本の小売企業は今、人手不足やネット通販の攻勢に押しまくられて否応なしにビジネスモデルの転換を迫られています。それにはレンタル店も例外ではあり得ません。長期的な生き残りを目指して店作りやサービスの在り方を革新する最後のチャンスだと思います。

レンタル店はモノを売らない小売業です。幼児から高齢者まで男女幅広いお客様を対象とした商売である一方、客層の高齢化と若者のレンタル離れがより顕著になってきました。また一方で、同業店との熾烈なシェア争いの時代を経て現在は競合店との価格競争をしなくてもよい市場環境にもあります。

こうした状況をベースにこれからのレンタル店刷新への道筋を考えねばなりません。最後に、そうした取り組みへのポイントとヒントをまとめてみました。

1、厳選作品への絞り込みとロングテール型の品揃え

私たちのレンタル店が扱うのは①あらゆるジャンルの古今の映像を網羅した膨大(ロングテール)な作品在庫と、②お客様が最も観たい公開直後の最新ビッグタイトル(厳選品)という二種類の映像作品です。この二つの映像作品は大きく性格の異なる商品です。商品特性的に全く違う作品ですからそれぞれに最適な戦略やアプローチがあるはずです。

ご存知の通りネット通販ではユーザーはネット画面をスクロールすることで次々に画面に登場する商品の中から希望に最適な一品を選択することが出来ます。こうした圧倒的な在庫品揃えのロングテール商法で在庫スペースも資金力的にも限度のあるリアル小売店と差別化するのがECの基本戦略です。

その一方で、例えばAmazon BooksやAmazon4-Star等EC企業が手掛けるリアル店舗では厳選したネット上で4ッ星以上の評価を得た商品だけを並べその一作一作を丁寧にお客様にリコメンドする、といったEC商法とは真逆の売れ筋商品戦略を展開しています。

これからのレンタル店でも上記二つの異なる作品群それぞれの特性に合わせた最適なプロモーションが必要なのではないでしょうか。

2、身近なお客様同士の情報で心を捉えるレコメンデーション

ECが成功したもう一つの戦略はネットにアクセスするユーザーへの「お客様の身近なヒトたちの情報」の提供です。

同世代のヒトたちの好みや考え方や、ライフスタイルは何かと気になります。「こちらをお買い求めの方はこちらも必ず」「これがお好きな人はこちらも大好きです」「ロサンゼルスで最も売れた」「1万人以上の方から(良かった!)と感想を頂きました」「皆さん読み始めたら止められないと」等々、全てユーザーサイドからの情報をベースにしている所がユニークで説得力があります。

レンタル店も以前から「ジャンル別人気ベスト10」「準新作ベスト20」といったカウントダウン陳列をしてきましたが、お客様へのアピール力は十分とはいえません。お客様の多くは、他のヒトが最近どんな作品を面白がっているのか、どんな作品に感動したのか、といったことを気にかけています。そうした情報をもとに借りる作品を決めることもしばしばでしょう。

これからはお客様が棚の前で思わず立ち止まる、そんなもう一歩踏み込んだ、お客様情報をベースとした色々なレコメンド型のPOPやボードを考えるべきだと思います。

3、「会員特典」というお客様を優遇サービスを強化する

Netflixが映像市場に導入し定着させたのが定額制の映像見放題システム(SVOD)です。このサービスの特徴は①インターネット経由で②映画やドラマ、アニメが見放題の③格安な月額料金システムです。Netflixはこうした、それまでは考えられなかった思い切ったサービスで短期間に膨大な加盟者の獲得に成功しました。

レンタル店の会員制度は同じ定額制でも見放題サービスはありませんが、これからは今までにない思い切った会員サービスで「会員を増やす」「お客様に喜んで頂く」ことを色々考える必要があると思います。

会費を少し値上げして特定カテゴリーや旧作のかなりの部分を無料見放題、あるいは月額制の「見放題パス」などというサービスも考えられます。

またBDやCD、中古作品、グッズ、スナック、飲料などの物販には一般料金と会員料金の両方を表示し「会員になるとこんなにお安くなりますよ」というメッセージを目立たせて表示します。ちなみに米国Amazonのプライム会員への割引率は一般価格の約35~40%引きのようです。

さらに、希望する作品の取り置きサービスや、高齢会員への作品宅配、キッズ会員専用大特典付きスタンプラリー。玩具やフィギュア、ぬいぐるみの超廉価販売等々の特典があるキッズ会員証で地域の幼児たちを囲い込んでしまう、といった戦略も考えられます。

一度来店したらどうしても会員になりたくなるようなサービスに知恵を絞って下さい。

実際にはネット通販を好まないお客様や、ネット環境に馴染めなお客様も少なくありません。そうしたお客様も含めて、当然のことながら「観たい映像を・観たい時に・都合のいい場所で・好きな方法で観る」のがお客様です。レンタル店がそうしたお客様にとって欠くことの出来ない選択肢の一つとしての魅力ある「店」であり続けることが、レンタル店生き残りの条件ではないでしょうか。

【村松 行人】
田辺経営(株)、教育出版(株)を経て現代教育企画設立。
1986年、ビデオショップ経営研究会を主催。
全国550余のビデオレンタル店の経営診断・主導をしている。
衛星放送・スカイパーフェクトTV Eチャンネル番組審議委員長。

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